「もの忘れ」は認知症?

加齢と共に「もの忘れ」がでてきます。多くの人が認知症では?と心配されて来院されます。認知症は、介護保険法で「アルツハイマー病その他の神経変性疾患、脳血管疾患その他の疾患により日常生活に支障が生じる程度にまで認知機能が低下した状態として政令で定める状態」となっています。つまり、もの忘れだけでは、そもそも認知症とは言えないのです。認知症の診断基準も、もの忘れ(記憶障害)があり、さらに言語障害(失語)、麻痺はないのに運動機能が障害(失行)、感覚機能の障害がないのに対象を認識できない(失認)、段取りが悪い(実行機能障害)という障害が1つ以上あり、これらにより日常生活に支障が出ている状態と定義されています。MRIなどの画像診断では早期ですと異常が無いことも多く、同居されているご家族からもお話をきかないとはっきり診断できません。また、認知症で内服治療が開始されますと、道路交通法により車の運転免許を返納しないといけません。ただ心配だからとか早めに検査だけでもというお気持ちは理解できますが、お一人で来院されないようお願いいたします。

大病予防は、生活習慣病予防から

生活習慣病とは、「食習慣、運動習慣、休養、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義されています。以前は、「成人病」という名称でした。具体的には、高血圧症、糖尿病、高脂血症といった疾患が生活習慣病という事になります。脳卒中や心筋梗塞にならないために、生活習慣病の管理が非常に重要です。

運転免許と認知症

高齢者の交通事故が非常に増えました。アクセルとブレーキの踏み間違いや高速道路の逆走など、多くが認知症高齢者によるものです。道路交通法が改正され、免許更新時や交通違反のあった時に認知症が疑われると、医療機関で検査を受けないといけません。認知症と診断されると運転免許は取消処分になります。諸検査をしても、「正常とは言えないが、認知症とまでは言えない」という状態の方がいます。この状態が軽度認知障害です。軽度認知障害の方のほぼ半数が、その後認知症に移行すると言われています。地方は、公共交通機関が都市部ほど充実しておらず、高齢者の移動手段と運転免許は、抱え続けるジレンマです。