新型コロナのこれから

5月8日から、新型コロナウイルス(COVID-19)が感染症法上の2類から、インフルエンザと同じ5類に分類されるようになりました。しかし、新型コロナそのものが変化したわけではありません。感染すれば高熱、強い咽頭痛、咳嗽に苦しむことになります。また、インフルエンザと違い、COVID-19の感染力はかなり強いので、注意していても人から人へと容易に感染します。普通に診察室で診れば、おのずと待合室で他の人に感染が拡大します。当院ではこれまでと同様、発熱の方を空間的に分けて診察する「発熱外来」を設けています。クリニックの前に車で来ていただき、車に乗ったままの状態で診察と検査を行い、会計も車中で、さらに処方薬も車に届けます。マスク、手洗いの励行で、ここ数年はインフルエンザが激減しました。感染症から身を守るには感染対策をきちんとすることが重要です。最低限、頻回な手洗いなどの大切なことは、法律が変わっても変わらないです。

「もの忘れ」は認知症?

加齢と共に「もの忘れ」がでてきます。多くの人が認知症では?と心配されて来院されます。認知症は、介護保険法で「アルツハイマー病その他の神経変性疾患、脳血管疾患その他の疾患により日常生活に支障が生じる程度にまで認知機能が低下した状態として政令で定める状態」となっています。つまり、もの忘れだけでは、そもそも認知症とは言えないのです。認知症の診断基準も、もの忘れ(記憶障害)があり、さらに言語障害(失語)、麻痺はないのに運動機能が障害(失行)、感覚機能の障害がないのに対象を認識できない(失認)、段取りが悪い(実行機能障害)という障害が1つ以上あり、これらにより日常生活に支障が出ている状態と定義されています。MRIなどの画像診断では早期ですと異常が無いことも多く、同居されているご家族からもお話をきかないとはっきり診断できません。また、認知症で内服治療が開始されますと、道路交通法により車の運転免許を返納しないといけません。ただ心配だからとか早めに検査だけでもというお気持ちは理解できますが、お一人で来院されないようお願いいたします。

大病予防は、生活習慣病予防から

生活習慣病とは、「食習慣、運動習慣、休養、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義されています。以前は、「成人病」という名称でした。具体的には、高血圧症、糖尿病、高脂血症といった疾患が生活習慣病という事になります。脳卒中や心筋梗塞にならないために、生活習慣病の管理が非常に重要です。